「サステナブル(持続可能な)」「エコ(自然環境保全)」などの言葉が日常的に使われている昨今、益々深刻化が予測される環境問題に対して、世界各地でエコな取り組みに興味関心が高まっています。
とりわけ最近ではプラスチック容器に注目が集まっていますが、実際どういった取り組みが行われているかご存じでない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回のビューティーコラムでは、化粧品にも密接な関係のあるプラスチック容器をとりまく環境問題と、社会全体をあげた取り組みについてご紹介していきます。サステナブルな商品を日常に取り入れ、化粧品の容器という観点から社会貢献したい方は、ぜひチェックしてみてください。
プラスチック容器をとりまく環境問題
軽量で扱いやすく、丈夫なプラスチック。数多くの商品パッケージとしても重宝されていますが、プラスチックが環境に与えるダメージは甚大です。
焼却する時に発生する温室効果ガスが地球温暖化に拍車をかけるほか、プラスチックの原料である石油資源の圧迫など。リサイクルが促される世の中になったものの、実際に国内でリサイクル可能なプラスチック容器は残念ながら一部のことで、大半がごみとして海に流れ出てしまっています。
そんな状況を受け、近年危ぶまれているのが海洋汚染における環境問題です。世界的に見ると、海洋プラスチックは年間約800万トン、東京スカイツリーで換算すると222基分にも相当します。
これらの海洋プラスチックを誤って口にしたり、流れ着くプラスチックごみでケガをしたりという、海洋生物の問題が深刻化。2050年には、海洋生物より海洋プラスチックの数が上回るという恐ろしい推測がされています。
プラスチックは自然には分解されない性質を持ち、半永久的に海の中に留まったままです。海洋生物への危機的状況のほか、漁業や養殖業など、海に携わる人々の仕事にも影響を及ぼすことも。景観が損なわれ、観光業の人も大きな打撃を受けることもあるかもしれません。
また、マイクロプラスチック(5mm以下の細かいプラスチックの粒子)を食した魚類を摂取することで、人体への悪影響も避けることができません。その他、プラスチックごみの処理の過程では、土壌汚染や大気汚染問題にまで発展しています。
使い捨てのプラスチック容器などが出回り始めたこともあり、日本のプラスチック排出量は世界2位。豊かな自然を守るためにも、世界的に広まりつつある「脱プラスチック」「ノープラスチック」を掲げ、日本もまたプラスチックごみ問題を食い止めねばならないのです。
社会全体でエコな取り組みに注力
2015年に「国連持続可能な開発サミット」で採択されたSDGsを発端に、社会全体をあげて環境負荷を取り除こうとする傾向にあります。
脱プラスチックに寄せられる関心も高く、さまざまな企業が工夫を凝らした取り組みを実施。大手外食チェーンではプラスチック製のストローを紙製に移行するほか、小売業では使い捨てプラスチックから環境負荷の少ない容器への切り替えなど、詰め替え・付け替え商品の積極展開にも余念がありません。
また、オフィスでの取り組みとしては、エコグッズの普及やマイボトル・マイ箸の推進などが例に挙げられます。
化粧品業界におけるサステナブルの波
サステナブルやエコ化の波は、化粧品業界においても例外ではありません。現在ではバイオマスプラスチックや生分解性プラスチックなど、環境にやさしいプラスチック容器を導入するメーカーが増加。
余計な装飾を排除するシンプルなパッケージを追求するとともに、完全なるNOプラスチックを掲げる選択肢も多くみられます。
使用済みの空容器の回収サービスを設けているメーカーや、店頭に回収ボックスを設ける店舗もあり、リサイクルの仕組みも強化傾向です。これらのサービスを利用すれば特典が貰えるといったサービスや、他ブランドの空容器も回収する仕組みを確立しているところも。これらの取り組みが今後益々、商品選びにおける一つの基準となっていくことでしょう。
■本記事参照文献一覧
・WWFジャパン公式WEBサイト「海洋プラスチック問題について」
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html
・環境省ホームページ 「令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 第1部第3章」
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r01/html/hj19010301.html
・環境省「参考資料1_プラスチックを取り巻く国内外の状況」
https://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-05/y031205-s1r1.pdf
・ALL ABOUT 「「人類全体の問題」一年に排出される海洋プラスチックごみはスカイツリー222基分⁉ 8割の人が知らなかった深刻すぎる実態とは」
https://allabout.co.jp/gm/gc/491075/
アンブリオリスの取り組み|リサイクル可能なパッケージへ
アンブリオリスでは、肌のケアと並行して環境への配慮にも重きを置いています。
数年前からはパッケージの簡素化に注力し、不要な箱や付属のスパチュラ、キャップシールなどを廃止。さらにアンブリオリスで扱うボトルやチューブは全て、アルミニウムやガラスなどを用いたリサイクル可能なものです。
アンブリオリスのロングセラー商品「アンブリオリス モイスチャークリーム」もまた、1950年の誕生以来ずっとアルミチューブを採用。ブランドの哲学の一つでもある、環境への配慮にこだわった商品を今日まで生み出し続けています。
2022年1月14日に新しく発売された天然由来成分95%配合の「アンブリオリス ジェントル クレンジングミルク」も、環境への配慮を怠らないというアンブリオリスの哲学をベースにした商品。
ボトルの約25%に、水や牛乳などの使い捨てプラスチック容器をリサイクルして作られたPCR(ポストコンシューマーリサイクル)材料を使用しています。
バージンプラスチックの使用量を抑えることに繋がるほか、本品は洗顔・クレンジング・保湿の3役をこれ1本で兼任。アイテム数を減らすことで、より地球環境への配慮に積極的なブランドメッセージが秘められています。アンブリオリスと共に、肌にも環境にもやさしいスキンケアを実感してみてください。